楽器で考える音楽の許容誤差

音楽は音を扱います。

音は物理現象なので計測したり理論化したりする事は可能ですが目では見えないし理論は大ざっぱだし、計測結果をどの様に使えばいいのかもよくわかりません。

 

計測結果を表示してくれる有名なものに周波数分布を表示してくれる物がありますが、ミックスのバランスや傾向を見るには役に立つと思いますが音楽的に良いのか悪いのかは聞いてみないとわかりません。

 

結局は感覚に頼る事になります。音楽関係の人はほとんどの人が自分の感覚の基準を保つためのリファレンスというものを使います。

 

電子ピアノでもいいですし、音楽プレイヤーでもいいです。音楽プレイヤーを使う場合は書ける曲も決めて置きます。昨日はパンクで今日はヘビメタでは困ります。ジャンルは同じは当然として曲も同じものを使います。

 

感覚というのはかなり狂いが生まれるものなので定期的に自分が感覚のリファレンス、つまり基準としているものを使って自分の感覚をリセットします。このような自分の基準を鍛えるのが第一ステップと言ってもいいと思います。

 

やってるうちによくわからなくなってきたという事は良くあるように、感覚を日頃から鍛えている人でも日常的に起こります。そのまま狂ってしまうと困るので感覚の基準をリセットする為のものを用意しています。

 

それぐらいあやふやなものという事ですね。DTMの話がメインなので楽器の話は全くしていませんでしたが、楽器は音楽で使う音を目で見ることが出来る貴重な存在です。

 

DTMのみという人の方が珍しく自分の好きな楽器と併用してDTMを活用するという人の方が一般的だと思います。

 

楽器の音はある程度目で見えます。これではまともな演奏は出来ないだろうなとか音楽で使う音を目で確認出来る唯一のものかも知れません。

 

とは言っても楽器の最終的な調節は0.1ミリレベルの目には見えないレベルでの微調整を耳で確認しながら行って行きます。

 

使える楽器か使えない楽器かはだいたい0.5ミリ以下の誤差で決まると言っていいと思います。楽器を見慣れていない人にはほとんど見分けが付かない範囲の誤差だと思います。

 

許容範囲は1ミリ以下と考えていいと思います。楽器の修理屋さんなどがまともに使える楽器にまで修理出来るのが1ミリ以下、楽器として使えなくは無い状態にまでには直せるのが1.5ミリ以下だと考えていいと思います。

 

2ミリ違うと修理不能という判断になると思います。部品などによっては修理ではなく作り直しで対応出来る可能性もありますが、修理ではなくなってしまうと思います。

 

普段楽器を触らない人にとってはに2ミリくらいと思いますが最終的な調節では0.1ミリ以下の耳での調節によって行われます。この調節で楽器の音は明らかに変わります。最終的にいい楽器と良くない楽器に分けられるのはこの調節でうまく行くかどうかで決まります。

 

まず目で見て分かる0.5ミリ以下に調節しそこで一度耳で確認します。これは修理に近い作業です。次に傾向を見て大まかに0.1単位の調節の為の準備調節を行い、次に0.1ミリ以下の調節を耳だけで行います。

 

ですので楽器として使えるのかどうかの判断としては0.5ミリ以下の調節がなされているものは最終的な調節の準備がされている立派な使える楽器と言えます。

 

1ミリ以下の場合は調節の為の修理に近い準備が必要な楽器であり、0.5ミリ以下になる可能性の高い楽器、つまり簡易な修理によって使える可能性が高い楽器と言えます。

 

1ミリ以上、1.5ミリ近く誤差のある場合は調節準備の為に必要な0.5ミリ以下にまで近付けられるか怪しい、つまり簡易な修理では楽器として使えるか怪しい楽器と言えると思います。

 

古くからある楽器だと楽器の形というのはほとんど細部にわたり決まっていて良し悪しは最終調節で決まります。

 

デジタル楽器は計測してみないと良くはわかりませんし、電源が入れば出る音が変わるという事も無いですのでリファレンスとしてはいいですが、やはり目で見て判断は出来な無いと思います。何より重要なのは電源が入るかどうかでしょう。

 

近年に出来た楽器と言っても古いですが、エレクトリックなどのアナログ楽器があります。エレクトリックギターなどは様々な形があるようですが音響に関する部分は基本的に全て同じです。基本的に弦が物理的に問題無く振動し、楽器として使える尺度は物理現象ですので自ずと決まります。

 

各メーカーによって微妙に作りは違います。この辺が誤差の計測が難しいですが、基本的に問題無く動作する似たような形のものと比べて見分けが付かないなら問題無いと思います。

 

0.5ミリ以下の誤差であれば問題無いと考えていい範囲、中古でしたら状態の良いものと言えると思います。

 

1ミリ近くの誤差がある場合、きちんと動作するかどうかは今までの使われ方にもよりますが五分五分だと思います。

 

1ミリ以上の誤差がある場合、正常な楽器として使えるかはかなり怪しくなります。専門家などに修理を依頼する必要がある可能性が高いと考えていいと思います。

 

1.5ミリ以上の誤差がある場合、専門家に依頼しても無理な可能性が高い、可能であっても作り直すに近い費用がかかる可能性が高いと考えられると思います。

 

掃除機なら吸うか吸わないか確かめれば済むので楽ですが、楽器というのは1ミリの誤差がある時点で掃除機でいう吸引力がかなり弱ってる部類になります。

 

そういう意味でも自分のリファレンスとして問題無く使える楽器を目のリファレンスとして持っておくというのも良いかも知れません。

 

肝心な部分は物理現象ですので2万円でも20万円でも基本的には同じです。最近は安くても作りのいいものもありますが、1万円以下では少しリファレンスとしては怪しいと思います。あと怪しい楽器屋で買うと1万円でも20万円でもリファレンスとして怪しい場合もあります。しっかりと使える役に立つリファレンスを用意するという事は何かと役に立つのでおすすめです。